死出の装束

母が亡くなった。
享年65。あまりにも早かった。

家族と自分自身の健康と幸せを祈り、結願してからわずか4ヶ月。
お大師様の力をもってしても、度重なる癌には勝てなかった。

遍路で使った品々を、棺に納めた。

判衣

判衣判衣
四国八十八箇所霊場の判衣を、胸の上に掛けた。
本当は着せてあげたかったのだけど、死後硬直で難しかった。

結願時には、朱印代+判衣代で2万円超えるコレをいずれ棺に入れるのは、少々もったいないと思っていた。金額だけじゃない。何しろ、歩き遍路で押してもらった判衣だから。道中、多くの歩き遍路に出会ったが、判衣持ってるのは俺だけだったし。
が、いざ納める時になると全くもったいないなんて思わなかった。むしろ、もうこんな事しかしてあげられないのかと寂しい気持ちになった。

別格二十霊場の判衣は、祖父か父か、早く逝ったほうに掛けてあげようと思う。

金剛杖

金剛杖
購入時は146cmだったが、結願後は114.5cm。
使い倒して30cm以上短くなっていた。

経本

経本
何百回と読経した経本はヒップバッグの中で揉まれ、表紙は擦り切れていた。

輪袈裟

輪袈裟と念珠
輪袈裟は、経本とともに胸の上に置いた。
念珠は、出棺時のドタバタで納め忘れてしまった。いつの日か、祖父か父の棺に入れ、母の元へ届けてもらおう。

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