第一番奥之院 東林院 (種蒔大師) – [Tōrin-in (Tanemaki-Daishi)]

霊山寺前の門前一番街から、タクシーで東林院へ。
とてもお遍路さん慣れした運転手さん。息子さんは、俺と同じく福岡市内に住んでいるそうだ。
楽しく話をしながら、10分ほどで東林院に到着。代金の端数190円を接待していただいた。お礼の納札第一号。

俺以外にお遍路さんはいないようだ。本堂と大師堂で読経・納札し、納経所へ。
納経所には誰もおらず、呼んでもどなたも出てこないので、留守かなと思ったらちょうどご住職が帰ってきた。
俺と同じくらい、30そこそこの若いお坊さんだ。

東林院は四国八十八箇所霊場第一番奥之院であると共に、新四国曼荼羅霊場第一番でもある。
御朱印も、奥の院用と曼荼羅用の2種類あるそうだ。
今回は曼荼羅用の納経帳(2,000円)を新たに購入し、それに曼荼羅の御朱印をいただくことにした。

「福岡からお越しですか?福岡には一度行ったこどがあるんですよ。中洲ってところの近くでラーメン食べましたよ。こんどは水炊きを食べてみたいんですけどねぇ。坊主なのにねw」
年季の入った大きな硯と筆で、丁寧に墨書・御朱印していただいた。
御影札は、曼荼羅用と奥之院用の2枚いただいた。

「お時間ありましたら、ご本尊の薬師如来をご覧になりますか?」
あれ、さっき読経したとき、本尊は愛染明王と札が出ていた気がするが…
よくよく聞いてみると、本来の本堂は大師堂の左隣にある薬師堂だという。
したがって、本尊は薬師如来。勘違いされるお遍路さんも多いそうだ。

かつての本堂は火災で焼失し、現在の薬師堂として小さく建て直されたという。
正面の大きな鉄筋コンクリート製の建物は「法要所」のような位置づけであり、この新本堂の本尊として愛染明王が祭られている。
本尊の薬師如来も、火災から守るためこちらに移されており、実質的な本堂としての役割には変わりないが。

今日は2番の宿坊泊まり。まだ時間はあるし、せっかくなので薬師如来を拝観させて頂く。
とその前に、本来の本堂である薬師堂で手早く読経を済ませてくる。
中央の祭壇に愛染明王。右の祭壇に薬師如来。
薬師如来は重要文化財であり、前面には紫外線を防ぐために遮光パネルが取り付けられている。
正面からだとサングラスを掛けて見ているようだが、右の柱の隙間から見るとよいと住職に教えていただいた。

種蒔大師 本堂(薬師堂)
種蒔大師 大師堂
種蒔大師 弥勒菩薩

四国八十八箇所霊場 第一番奥之院
八葉山 神宮寺 東林院 (種蒔大師)
徳島県鳴門市大麻町大谷山田59
TEL : 088-689-0053